これまでにしてきた仕事の本の一部をご紹介しましょう。 レジン (樹脂) という言葉さえもほとんど知られていなかった1980年代から、この素材の楽しさ、素晴らしさ、可能性の大きさを多くの人に知っていただきたくて、及ばずながら普及にも努めてきました。


1993年
「デザインの現場」での樹脂の紹介
「もっと立体つくりたい」という特集で、樹脂の魅力やその扱い方などを説明しました。
撮影、インタビューは東京の目白のスタジオで行われ、撮影そのものは特に大変ではなかったのですが、とにかくそこまで行くのに横浜の自宅から2時間もかかったので、それだけでなんだか疲れてしまいましたね。

ご覧のとおりブラックキャットミラーやゼリービーンズミラーは、この頃から作り続けているロングセラー作品なんですよ。
もちろん何度も改良を繰り返して現在にいたっていますが。


1994年
NHK「おしゃれ工房」出演
これは大変でした(笑) お話をいただいたのがテキストの撮影の1ヶ月前でしたから、とにかく時間がなくて。
それに「花のアクセサリー」などというむずかしいテーマだったので、準備も大変でしたね。 何しろほとんど作ったことがなかったですから。
それでもなんとかテキストの撮影を無事にすませ、一ヶ月間、間があって今度はテレビの打合せと撮影です。 撮影は私の希望で作っているシーンと、スタジオでお話をするのと2回に分けて撮っていただきました。
撮影はあっという間に終わり、「なんだこんなもんか」と思いましたよ。
ゲストは戸川純さん。 司会はスタイリストの安部みちるさんでした。 お二人ともやさしく、そして美人でした。
 


   1999年
東京広尾のメンバーズクラブの照明製作
この照明のシェードが和紙素材の最初です。 といいますか、この仕事のために新たに開発した素材なんです。
「材質的に強く、しかも和紙の質感を残して」というむずかしい注文で、悩みましたね。 しかも壁やバーに取り付ける方法も考えてくれということでしたから、大変でした。
なにしろ話が来たのがオープンの10日前だったんですから! 信じられない無計画建築(笑)

手漉きの和紙を3枚透明レジンで張り合わせて素材を作り、それを手でちぎってから着色して形を作りました。
入り口の階段と店に入ったところのメイン、中二階に上がる階段に、それぞれデザインの違う照明を取り付けました。
「鮮やかな赤でありながら影があり、しかも店のロゴは白く浮き出す」という、もうまったく無茶な注文で、あとにも先にもこんなにむずかしい仕事はありませんでしたよ。

こうした仕事はもうしたくありませんね。 もうしません(笑)
  




2000年
名古屋クリエイターズマーケット出店
こう言うとなんですが、私は別に出る気はなかったんです。 企画をしていたプロデューサーと仕事上の付き合いがあり、「プロがいないとカッコがつかないから出てくれないか」と、頼まれたので行くことにしました。 名古屋は私の実家がありますしね。
もちろんちゃんと出店料金は払いましたよ(笑)

まだネットショップを始める前でしたから、名古屋での取引先を探すという目的と、若い人たちの作る物を見たいという気持ちで参加しました。

会場はちょっと交通の便の悪いところで、やはりああいった催しはもっと中心地に近いところでやるべきだと思いましたね。
参加してみた感想は・・・・・・。 若い人たち、もっとがんばれよ、でした。

今でもいろいろなフェスタからお誘いをいただきますが、もう出ませんよ、私は。


2003年
ONDORI社刊行 テキスト本監修
 
以前からレジン成型に関する、こうした活字のテキストの必要性を痛感していたので、とてもやりがいのある仕事でしたね。
スケジュールはものすごくハードでしたが、楽しかったですよ。 出来上がった本にも大満足です。
もちろんスペースに限りがありますから、完璧というわけにはいきませんが、日本初のテキスト本としては、なかなかいい内容だと思っています。

残念ながら絶版となり、Amazonなどで高額で取引されています。



2012年
河出書房新I社刊行 テキスト本監修
    
前作からほぼ10年経ち、レジンがブームとなりつつあった時期に、河出書房新社さんからお話をいただき、監修として参加しました。

内容は前作のオンドリ社刊行本よりも、もう一歩もに歩も踏み込んだテクニックやコツについて解説をしていますから、レジンをこれからおはじめになる方にとりまして、とてもいい本ができたと自負をしております。

このテキスト本には、5名の作家さんに提供していただいた30作品の美しい写真と、その作り方レシピも掲載されています。


今 「レジンブーム」 という言葉をよく耳にするようになりました。
これまでの25年間を振り返ってみて、少しは世の中のお役にたてたかな、そう思っています。
これからも多くの人に、レジンやシリコンで作人を作る楽しさを知っていただきたいですね。



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