Vol,14〜Vol,59
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第36回
「ネットショップ開業始末記」
(2003年5月1日UP) |
これまでにも何度か書いてきましたが、私は2年前にネットショップを始める以前は、ショップやショップを経営する会社への卸しをしていました。
なぜ卸しをやめてネットショップを始めたかといいますと、「中間マージン」のためなんですね。
ショップや会社へ卸しますと、私の手に入るのは売値の60%から40%です。 残りはショップや会社の儲けです。 つまりこれが中間マージンなんですね。
私も職業としてやる以上は、儲けを出さなくてはいけません。 儲けを出すためには最低でもこれだけはいただかなくてはいけない、そのためには値段は○○円にしなくてはいけない、つまりマージンが大きければ大きいほど値段が高くなるわけです。
値段が高くなりますと、当然売りにくくなりますよね。 私にはこれが長い間足かせになって、自分の思うように作品を売ることができなかったんです。
しかも私はこの物価の高い日本で暮らしていながら、人件費の安い国で作られた商品と比べられてしまうのですから、経営は非常にきびしく、むずかしかったですね。
作る物がだんだん凝った物になるほど、そのむずかしさは増していき、結局はこのままではやっていけない、というところまで行き着いてしまったんです。
以前から「直接お客様にお売りすることはできないだろうか?」と、考えていました。 そんなときに普及し始めたのが「ネットショップ」だったんです。 「eコマース」という言葉に惹かれて、いろいろとしらべてみると、私が長い間望んでいた商売の方法がそこにあったんです。
ところが私はそれまでパソコンにまったく興味がなく、さわったことすらありませんでしたから、「すぐに始めよう!」とはなりませんでしたね。 やるとなったらパソコンやらプリンターやら、揃えなくてはいけないものがたくさんあり、その金額は私には莫大なものでしたから、なかなか踏ん切りがつかず、そんなこんなで1年が過ぎてしまったんです。
しかしこのまま卸しを続けても、ジリ貧になるのはわかっていましたから、思い切って、本当に思い切って始めることにしたんです。
まずは必要な物を買い揃えなくてはいけません。 が、どんなパソコンがいいのかわかりませんし、プリンターはどの程度のものが必要なのか、スキャナーはいるのか、カメラは、プロバイダは、ソフトは・・・・・。 まさに五里霧中、ちんぷんかんぷんでした(笑)
それでまずはカタログ集めから始めましたよ。 今思うと運の悪いことに、そのときは「Windows Me」の発売されたばかりの頃で、当然新しい方がいいのだろうと思い、知識のないままにオールインワンノートPCのMe版を買ってしまったんです。 ノートは正解でしたが、Meは失敗でした。 すぐフリーズしちゃって全然だめでしたよ。
プリンターもそこそこのものを買い、デジカメの代わりにスキャナーも買いました。 今あるカメラで撮ってスキャンした方が、安上がりだと思ったんですね。
その他にパソコン関係の本や、ネットショップ関係の本などを買い込み、毎日勉強をしましたよ。 もうわけがわからなくて泣きそうでした(トホホ)
わからなくても私は人に聞きませんでした。 自分でやらないと身につかないと思ったんですね。 それはなんに対してでもそうで、失敗を繰り返して覚えなければ、決して自分のものにはならない、私はそう考えているんです。
本を読んでいるうちに、ネット上にはフリーサービスがたくさんあることを知りました。 「これはいいや」というわけでお金のなかった私は、すべてフリーサービスでネットショップをやろうと思ったんです。
プロバイダもメールもフリー、HPを公開するスペースもフリー、HPはワードのWeb編集機能を使って作る、全部タダならこりゃ儲かるぞ!と、本気で考え、実際にそうしたんですよ。
最初の考えでは、PCを買ったのが2月の上旬でしたから、3月の中旬にはネットショップを始められるだろう、なんて気楽に考えていたんですが、まずネットに接続できるようになるまでに、1週間かかってしまいました(涙) メールが送れるようになるまでに、2週間かかりました。(情けない)
それと同時にワードの勉強もし、HPの構成を考えていきました。 これも最初は15、6ページも作ればいいなと、簡単に考えていたんですが、そんなに甘いものではありませんでした。 (ちなみに今はサーバーに150ページくらいアップしてあります。
す、すごい)
ネットをほとんど見たこともないのに、HPを作り出したんですから恐ろしいですよね。 でも私は思い立ったらガァー――っと、いくタイプなんです。
「ワードでHPを作ろう!」みたいな本を片手に、日夜PC相手に怒ったり、泣いたり、愚痴ったり、はたまた開き直ったりしていました。
それでも2ヶ月遅れの5月下旬に、フリースペースにHPを公開したんです。 自分ではオープンそうそう「押すな押すな状態」を想像してね。 まったく世間知らずは恐ろしい。
友人たちにも張り切って宣伝しました。 返ってきた言葉は「レイアウトが壊れてるよ」でした・・・。 どういうこと? 作り方がまったくダメだったんですね。
そこでまた本を買っていろいろと勉強し、HTMLを勉強し、ソースをチェックして編集しなおし、これで大丈夫だろうと思って、あちこちのサイトさんに相互リンクをお願いするメールを送りました。
ほとんど返事もない中から、INTERIOR GOODS SHOPのニッシーさんから返信があり、PCソフトとブラウザの組み合わせによって見え方が違うこと、フリーのHPスペース、メールではお客さんに信用してもらえないこと、ネットショップを運営するのであれば、それ相応のサーバーに公開した方がいいこと、独自ドメインを取得した方がいいことなど、実に丁寧に、しかも優しく教えていただきました。
顔から火が出るほど恥ずかしく、涙が出るほどありがたかったですよぉ。
すぐにプロバイダを変え、レンタルサーバーをしらべ、あるサーバーにスペースを借り、ドメインを取りました。 これが6月中旬のことでした。 が、このサーバーが私のプロバイダとの相性が悪く、全然ページが開かなくなってしまったんです。 友人に見てもらっても、「トップページが開くまで1分以上かかるよ」ということで、契約したばかりなのに、泣く泣く乗り換えなければいけなかったんですよ。
そして今のサーバーに変えて、正式にショップをオープンしたのが2001年の6月下旬でした。 つまりもうすぐオープン2年になるんですね。 早いものです。
これでもう問題なくやっていけるだろうと思いました。 もう大丈夫だろうと、ね。 しかしやっぱりダメでしたよ。 問題はワードでのWeb編集でした。
結局ワードで作ったページは、ネット上では正しく表示されないんですね。 画像が小さくなってしまうんですよ。 そうしたご意見をいただいてから、近所の家電量販店のインターネットコーナーへ行って、自分のページをチェックしてみて始めて知りました。 あぁ遅かりし・・・・
それでようやくホームページビルダーで作ることにしたんです。 ついでにWindows2000にしました。 そうしたらバックアップをとっておいたメールアドレスや、OUTLOOKのフォルダがインポートできなくなって、それまで貯めた情報がすべて消えてしまったんです・・・・あぁ。
それでもめげずに3週間かけてホームページビルダーでページを作り直し、すべての作業が終わった時は、のどに刺さっていた魚の骨が取れたような、すっきりとした気持ちになりましたね。 それが11月下旬のことです。 つまりPCを買って10ヶ月近くかかって、ようやくスタートラインについたわけなんですね。
しかしその経験があったればこそ、私はPCのこと、ネットのこと、HP作成のことを知ることができました。
ちなみに私がデジカメを買ったのは、HP作成を始めてからのことです。 フィルムカメラでは現像仕上がってくるまで待たなくてはいけず、しかも気に入った写真がなければもう一度撮りなおしをしなければいけないわけで、時間もお金も無駄になることがわかり、それでデジカメを買ったんです。
最初に買ったデジカメは35万画素の、おもちゃみたいなものでした。 その頃はブロードバンドなんて普及していませんでしたから、重い画像を載せることができなかったので、その程度のカメラで十分だ、というのが大方の考えでした。
当然近距離撮影はできません。 60cm以上でないとピントが合わないんです。 それでは小さい作品や、作品アップなどの画像は撮れませんよね。 そこでいろいろと工夫しました。 とにかく工夫することが好きなんですね。
よく知られているテクニックですが、レンズの前に虫眼鏡を貼り付けて撮ると、10cmくらいでのズームアップ撮影ができます。 しかしこれでは作品の一部分しか撮れません。 作品全体を撮るには30〜40cmくらいの距離がいいんだけどなぁ〜と、いろいろと考えていて思いついたのが、「老眼鏡」でした。
近いものが見えにくくなるとかける老眼鏡。 ということはレンズの度数を替えれば、いろんな焦点距離で撮影が可能なのでは? そう思ってすぐに安い老眼鏡をさがし、すべての度数を買い揃えてきました。 店の方が怪訝な顔をされていました(笑)
さっそく試してみたところ、これが実にいいんですよ! いろんな焦点距離で撮れることはもちろんのこと、被写界深度が浅いために、とても印象的な画像に仕上がるんですね。 我ながら「大発見だ!」と思いましたよ。
今使っているデジカメは210万画素で、近距離撮影機能も付いていますが、私はいまだに老眼鏡のレンズを利用しています。 その方がきれいな画像が撮れるんですよ。 ホントですよ!
デジカメ講座はこのくらいにしまして、今度はネットショップの宣伝について、少し書いてみますね。
ネットショップをおやりになった方はどなたでもおわかりのとおり、ショップをオープンさせたからといって、すぐに
「千客万来!」なんてことはあり得ませんよね。
注文はこないし、メールもこない。 掲示板には全然書き込みもない、なんともさみしいものです。
ネット上では日々HPが増え続けていますよね。 その中から自分のサイトに来ていただくために何をしたらいいのか。 私もずいぶん悩みましたよ。
約2年前、その当時の常識として、アクセスアップのためにすべきこととして、まず有名ショップとの相互リンク、メルマガ一括登録、掲示板一括登録、ショッピングモールへの登録などがありました。
私もそのとおりにやってみましたが、ただ山のようなメルマガが送られてくるだけで、ほとんど効果はありませんでした。
ショッピングモールも同じこと、登録しただけではダメなんですね。 メルマガの発行部数も、ショッピングモールの登録数、アクセス数も、結局登録したショップオーナーの数でしかないんです。 つまり一般のお客様には伝わらないんですね。 それでは宣伝効果がないのは当たり前ですよ。
私がいろいろ試してみて、一番手軽で効果があると思うのは、「バナー広告」ですね。 ショッピングモールなどに掲載されている、サイトのバナーがありますね。 あれです。
有料、無料いろいろありますが、料金と効果は比例しませんよ。 高いお金を取っていながら、効果のないところもたくさんあります。 と、いいますか、そういうところの方が多いですね。 ですから料金で判断してはいけませんよ。
私の経験で、私なりに考えた効果のあるバナー広告の出し方は、まずそのサイトのアクセス数が表示してあること。 表示していないと効果の程がわかりにくいですから、さけた方がいいですよ。
1日のアクセス数が1000以上あること。 できれば3000以上。
アクセス数がたくさんあっても、そのサイトのデザインが「ダサい」と思ったら、やめた方がいいです、効果ありませんから。
次にバナーの位置と大きさ。 モールやサイトによって広告のバナーサイズが決まっています。 サイズが小さいサイトや、表示されるところが目立たないところにあるサイトは効果ありません。 120×60ピクセルは欲しいですね。 88×31では効果ありません、お金の無駄ですからやめた方がいいですよ。
あとは掲示板への書き込み。 これは必ず自分で書き込みます。 「一括登録サービス」は、もはや過去の遺物です。 百害あって一理なし、やめましょう。 メルマガも同じこと。 あなたご自身、送られてきたダイレクトメルマガに目を通しますか? 見ませんよね。 つまり効果がない、ということです。
掲示板は画像が貼り付けられる方が格段に効果があります。 この場合の注意として、サイズの大きな画像を貼り付けるのはやめましょうね。 みんながみんな、ブロードバンドユーザーではありません。 私のようなナローバンドユーザーにも配慮して、30KBくらいの画像にしましょう。
私自身まだまだ模索中ですから、えらそうなことは言えません。 今でも時々自分のサイトのチェックをしに、近所の家電量販店に行きますが、「あちゃーっ!壊れてる!」ということが少なくありません。
CGIのことはほとんどわかりませんし、勉強する気力もありません。 ですから私のページは実に単純です。 使えるものを使っているって感じでしょ? 掲示板のデザインも・・・げんなりです。 ショッピングカートもありません。
言い訳のようになりますが、カーとは付けられるんですよ。 ただサイトのデザイン上付けたくないだけです。 お客様には「申し訳ないなぁ」と思いつつも、当分カートを設置する気はありません。
オーダーフォームに関して、経済産業省からお叱りをいただいたこともあります。 しかも2度(笑) 「確認ページを表示しないと、法律に抵触しますよ」といわれたんですね。 すぐになおしましたよ。
「特定商取引法」と法律が変わったときにも、やはりご注意をいただきました。 「記述が足りない」と。 これもすぐになおしました。 法規を読んでもよくわかりませんでしたから、有名なサイトさんのをマネして作り替えました。
ネットに関する法律はよく変わるので、といいますか、どんどんと厳しくなっていきますので、これからもこうしたことはありそうです。
こうして作り上げた私のHPも、なおしたいところ、なおさなければいけないところが山ほどあります。 忙しさにかまけてなかなか進みませんが、できればもっともっとおしゃれで見やすいサイトにしたいと思っているんです。 思ってはいるんですが、なかなかできません・・・・・。
いつも自分のHPを見て、「これじゃダメだなぁ・・・」と、ため息をついています。 むずかしいものですね。 |
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