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アメージングは、「レジン・透明樹脂で作るアクセサリー」
「アクセサリー作りのための レジンの教科書」 (河出書房新社刊) を監修しました
レジン造形作家 熊崎堅一が運営するサイトです。


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さてここでは着色と染色の仕方についてご説明します。 このテクニックをお覚えになると、作品の幅がさらに広がりますよ。
( ここではポリウレタンレジンは平泉洋行の「ハイキャスト」、エポキシレジンはティー、ダブリュー、インダストリーの「透明エポキシ樹脂」を使用した場合の説明になっています )

1.ポリウレタンレジンの着色方法について
第5回でも少し書きましたが、ポリウレタンレジンはあまり塗料のノリがよくありません。 慣れてコツをつかまないとちょっと塗りにくいですし、下処理をしないと塗ってもすぐに色が落ちてしまいます。
おさらいになりますが、着色する場合はナイロンタワシなどに食器用洗剤をつけて、成型品の表面を少しキズをつけるくらいによく洗います。 こかい細工部分はブラシ(歯ブラシでOK)で洗うといいでしょう。
洗ったら水気をふき取りよく乾かします。

塗料はアクリルラッカー(鉄部、木部用)が手に入りやすくていいでしょう。 プラモデル用のラッカーは色が落ちやすいですから、下塗りには向いていません。 プラモデル用のラッカー(エナメル、アクリル)は色がきれいですので、ノリのいいアクリルラッカーなどで下塗りをしてから、仕上げ用にお使いになるといいですよ。
筆、刷毛は硬いものですと筆むらができてしまいますし、あまりやわらかいと塗りにくいですから中くらいが適しているようです。 しかしこれはラッカーの種類や溶剤の混ぜる量によって違いがありますから、みなさんご自分で塗ってみて、それぞれに適したものをお選びになるといいと思います。

ラッカーは底に顔料が沈んでいますから、塗る前に必ずよく混ぜ合わせてください。 ラッカーの硬さ(濃さ)によっては溶剤でのばします。 その加減は試し塗りをしながら少しずつ混ぜるといいでしょう。 薄めの方がいいようです。
その際使う分だけ紙コップなどの別の容器に取り分けると、無駄がなくていいですよ。

ラッカーには有害物質が含まれていますから、必ず窓を開けるなどの換気をしてください。 またペットなどのいる部屋では、塗料を使わないようにご注意ください。


さていよいよ塗るわけですが、一度に厚塗りをしないで、まず薄く塗ってよく乾燥させます。 これはあくまでも下塗りですから、あまりきれいに均一に塗れてなくてもかまいません。
最初から厚く塗ってしまうと塗料のノリが悪くなりますし、乾燥に時間がかかって完成が遅くなりますのでご注意ください。
よく乾いたら2度目を塗りますが、2度塗りする場合、何度も筆を返して塗りなおすと、下の塗料が溶剤で溶けて色が落ちてしまいますから、さっと塗るようにしてください。
1度目にある程度きれいに塗れていましたら、プラモデル用のラッカーで仕上げをしても結構です。 そのあたりはみなさんご自分の判断でお願いします。

プラモデル用のラッカーは色がきれいというだけではなく、下塗りした塗料とは溶剤の種類が違うので、ベタベタと筆を返しても下の塗料が落ちることなく、きれいに塗ることができる、という利点もあります。
このように重ね塗りをしたり、となりあったところを違う色で塗る場合などは、溶剤の種類の違うラッカーで塗ると、色が落ちたり混ざったりすることなく、きれいに塗ることができます。

筆や刷毛でなく、スプレーで着色することももちろんできます。 一般にスプレーラッカーは、筆塗りのラッカーにくらべて薄いですから、ノリがあまりよくありません。 色落ちしやすいですね。
ですからスプレーで塗装する場合は、シーラーやプライマーなどの定着剤を先に吹き付けてから、お好みの色に着色するといいですよ。


2.ポリウレタンレジンの染色方法について
この場合のポリウレタンレジンはホワイトタイプです。 似た色に「アイボリー」というものがありますが、これは「乳白色」ですから、染色には適していません。

染めるには二通りのやり方があります。 ひとつは成型後、染料に浸して染める方法。 もう一つは今回ご説明します、成型前のレジンに染料を混ぜて色をつける方法です。
まず染料の種類ですが、エポキシ用ウレタン用などいろいろありますが、あまり違いにこだわることはないようです。 私はあまり考えずに選んでいます。
また染料はレジン用でなければいけないかというと、実はそうでもないんです。
 先ほど着色の項で出てきました、ラッカーでも染めることができます。 要するに顔料であればいいのでしょうね。
ただし水溶性のものは、レジンが水分を吸って劣化してしまいますから使えません。

塗料はたいてい顔料が沈殿して、溶剤やクリアーラッカーと分離していますから、上澄みを捨てるか、別の容器に移し替えて顔料を利用するといいでしょう。 プラモデル用のラッカーは、色がきれいで種類もたくさんありますから、これを利用されると値段も安く(120円)、量も少なくて便利ですよ。
染料を混ぜるのは主剤でも硬化剤でもどちらでも結構です。 (当サイトで販売しています染料の説明書には、A液に混ぜる、とありますが)
ジャムなどの密閉できる小さなビンや、ペットボトルなどにレジンと染料を入れて、よく振って混ぜ合わせるといいです。(ふたをきっちり締めないと飛び散って大変なことになります、私のように。 一応ティッシュペーパーなどで覆いをして振るといいでしょう)

染料を混ぜると思い通りの色になりますが、硬化したときには白を混ぜた色になることをお忘れなく。 何度か試しに成型して染料の濃さを調整します。
私の経験ではグリーンはあまりきれいな色に仕上がりません。 ライトグリーンや黄色にブルーやライトブルーを混ぜて色を作った方がいいかも知れません。色を作るのも楽しみのうちです。


3.エポキシレジンの着色方法について
基本的にはポリウレタンレジンと変わりませんが、エポキシレジンのほうが塗料のノリがいいようです。 スプレーラッカーなどでも割とよく定着します。 またアクリル染色用染料で成型後に染めることもできます。
全体を染めることも、色を塗るように部分的に染めることもできますから、アイデア次第でいろいろに楽しめますよ。


4.エポキシレジンの染色方法について
このエポキシレジンは透明ですから、どんな色にでも染めることができます。 染料はエポキシレジン用のものを使います。
染料にはクリアーなものと、不透明なものがありますから、それぞれの用途に合わせて使い分けます。
透明感を楽しむならクリアーの染料、半透明や濁った色にしたいのでしたら、顔料を薄く溶いて使うといいでしょう。
染料はほんの少しでも結構染まりますから、色を見ながら少しずつ混ぜるようにします。 エポキシレジンはポリウレタンレジンと違い、見たままの色で固まりますから、色を作るのは簡単です。

プラモデル用のラッカーを染料代わりに使う場合は、アクリルラッカーかエナメルラッカーをお使いください。 ニトロセルロース系はレジンに溶けません。
そのほかプリンターのインクや、万年筆のインクでも染めることができます。 この場合種類によりましては、レジンに溶けにくいものもあるようですが、よく混ぜ合わせればきれいに色をつけることができます。



5.フォグ染色法について
ここまでの説明は単一の色に染める方法です。 次は私が考えた「フォグ染色法」についてご案内しましょう。
Fogとは霧のこと。 その模様がまるで霧がたなびいているように見えるので、そう名付けました。(私は名前をつけるのが非常にへたなのでそのままの名前ですみません)
この染色法にはいろんなパターンがあり、その数は10通り以上になると思います。


 レジンを透明なまま、あるいは色を付けて型に流し入れて、少し時間を置いてレジンが冷めてから、針金や竹串などに染料をつけて、レジンの中に入れて線や丸を描くようにして、染料で幕かカーテンのように模様をつけます。 ある方は「オーロラのようだ」と、表現しました。
(「レジンが冷めてから」というのは、混ぜ合わせるときに、ドライヤーなどで温めた場合のことです)


注意!このときに針金や竹串で、自分の思い通りに染料の模様を作っても、レジンは目に見えないほどゆっくりと回流するため、硬化したときには全く違う模様になってしまいます。 また、はじめにあまり染料を動かしますと、回流のために染料が混ざり合って、単一色になってしまうこともあります。 ちょっと物足りないかな、と思うくらいでちょうどいいのです。



しかし薄いものを成型する場合はあまり回流しませんから、針金や竹串などである程度模様をつけたほうがいいでしょう。
少し難しいかもしれませんが、一度おやりになると、ここに書かれていることの意味がよくおわかりいただけると思います。
時間をかけて自然に模様をつけるのが「フォグ染色法」なのです。 作為的に模様をつけるよりも、自然の回流が生み出す模様のほうがはるかにきれいですよ。



 型にレジンを3分の2から半分程入れて、レジンが冷めるのを待ち、染料を1滴(お好みの量)落とします。 その染料の上に残りのレジンを流し入れて、染料を散らします。。
あとは自然の回流に任せて硬化させます。。



 レジンを少量取り分けて染料を混ぜ合わせて色を付け、あとはBと同じ手順で、流し入れたレジンの上に、色を付けたレジンをお好みの量落とし入れ、残りのレジンを流して散らせます。
こうしますと
染料だけの場合とくらべまして、微妙に模様のでき方が違います。


 レジンを半分ほど取り分けて染料を混ぜ合わせ、先に透明なレジンを型に流し入れてあとから、染料を混ぜたレジンを入れる。どういう模様に固まるかはそのときの状況によって変わります。



 レジンを流し入れながら染料を落とす。 これも状況によってきれいに模様がついたり、単一色になったりします。


以上が基本的なテクニックで、これにいろいろなアレンジを加えることにより、様々な模様の作品を作ることができるのです。
 たとえば、「フォトフレーム」をお買い上げいただいた方はおわかりになると思いますが、模様をよく見ると染料が一色ではないでしょう? このフレームには4色の染料を使っています。
オレンジですと、クリアーのオレンジ、濃いオレンジ、茶色、それと顔料の白の4色です。 こうしていくつもの色を使うことで、深みのある色合いの作品に仕上げることができるのです。

もちろんただ色をたくさん使うだけでなく、染料の濃さや量、型に落とし入れるタイミングなどもとても重要なことです。 立体型の場合、シリコン型の中の様子を見ながら染料を落とすことができませんから、どんな風に混ざっているか、想像しながら染料を落とし入れていきます。
きれいに成型できることもあれば、気に入らないこともあります。 でもそこが手作りの楽しさですよ。