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レジン成形品のキズの修復、研磨、仕上げとその応用技法




◆成型品にキズがついてしまったとき

レジンを成型してまったくの無キズ、あるいは原型そのままということはまずありません。 たいていの場合どこかにキズやへこみなどがあるはずです。 また成型品のはみ出したバリなどを、カッターで切っているうちに深く切りすぎたり、ドリルで穴をあけそこなったりして、キズをつけてしまうこともあります。 きれいな作品を作るためには、修復は欠かすことができません。
せっかく成型したものを小さなキズのために捨ててしまうことはありませんよ。 修復してきれいに仕上げましょう。 修復の方法はエポキシレジンとポリウレタンレジンでは少し違いますので、それぞれの性質にあった修復、研磨、仕上げのやり方をご説明しましょう。


透明エポキシレジンの場合

エポキシレジンで作品を作るのは、その透明感を生かし楽しむためでしょうから、レジンが見えなくなるような塗装はしないでしょう。 したがってパテでキズを埋めることはしません。 エポキシレジンそのものでキズやへこみを埋めて修復します。
まったくの透明なままで成型した場合はいいのですが、染色した場合は同じ色合いのエポキシレジンで埋めないと、かえって修復した個所が目立ったしまうこともあります。( 大きなキズでなければ透明なエポキシレジンで修復してかまいません )
ですから最初に型に流し入れたときに、小さな容器などに修復用、あるいは接着用として少し取り分けて冷凍しておくといいでしょうね。
( エポキシレジンの冷凍に関しましてはHow to 5をご参照ください )


型に流し入れたレジンが硬化したら、取り出してまず余分なレジンやバリを、カッターで切り取るか、ヤスリで削ります。 立体型の場合は、型の接合部に必ずキズなどがあると思いますし、平面型の場合でも先ほど書きましたように、カッターで切りすぎたり、気泡の穴があいてしまったりすることがあります。
キズをレジンで埋める前に必ず洗剤でよく洗ってください。 これを忘れるとせっかく埋めてもすぐに取れてしまいますから、よく洗って水気を切っておきます。
冷凍庫から出したエポキシレジンが常温に戻り、ゆるくなるまで待ちます。 少量の場合はドライヤーや電子レジンなどで温めるといいでしょう。

レジンが液状に戻ったら空気が入らないようにつまようじや割りばしなどで、キズに少しずつ入れていきます。 レジンは硬化時に多少収縮しますから、図1のように少し盛り上がるくらいにします。 このとき成型品の形が安定しないものであれば、重いものではさむかテープで止めて固定しておくといいでしょう。 この状態で硬化するまで2〜3日置いておきます。
そうなんですよ、キズが一ヶ所でしたら2〜3日で済むのですが、全体に何箇所かある場合は順番に埋めていかなければいけませんから、修復にはとても時間がかかるのですよ。

ではエポキシ系の接着剤で埋めてみたらどうでしょうか? 「2液混合型 透明エポキシ接着剤」というものが、ホームセンターなどで売っています。。 こうしたものは硬化時間が5〜30分くらいですから、この方が簡単でいいのではと思って試してみたことがあります。 結果はダメでした。
まず主剤と硬化剤が普通のボンドのように粘度があるため、混ぜ合わせた時にこまかい気泡がたくさん入って白っぽくなってしまいます。 また気泡がないところを使って埋めても、硬化したあとの硬さが違うため、研磨した時に同じように仕上がりません。 高透明と書かれているものも、時間がたつと茶色に変色してしまいます。 さらにはがれやすいなど、修復には不向きであることがわかりました。 ただし研磨や仕上げの必要がないほどの、小さなキズをちょっと埋める時には有効ですよ。




流し入れるときに気泡を巻き込んで成型品に空気の穴があいてしまった場合は、表面張力のためにレジンを穴の中に入れるのはむずかしいですから、図2のように穴の口をカッターで広げてからレジンを入れるようにします。




キズを埋めたレジンが固まったら盛り上がった余分なレジンを切り取ったり、サンドペーパーで削ったりしてなめらかにします。 
余分なレジンが多い場合は、図3のようによく切れるカッターナイフで、埋めたレジンのまわりから中心に向けて、少しずつカットしていきます。 一度に大きくカットしますと、せっかく盛り上げたのに平らになってしまうこともありますから、少しずつカットしていきます。 
まわりのラインより少し高めにカットできたら、サンドペーパーでなめらかにしていきます。 余分なレジンが少ない場合は、カットせずにペーパーをかけます。



サンドペーパーは金属用ですと灰色の汚れが取れなくなることがありますから、木工用のものを使います。 はじめは320番から400番くらいの目のペーパーで、力をいれずに少しずつ削ります。 大体なめらかになったらこまかい目のペーパーをかけて、さらになめらかにしていきます。
水で洗って拭いてよく乾かすと、きれいに削れたかまだキズが残っているかわかります。

ここからさらにコンパウンド(研磨剤)で磨きますともっときれいになりますが、一般の方はそこまでする必要はないでしょうから、クリアーラッカーでつやを出して完成としましょう。 つや消し仕上げにする場合も、まずクリアーでつやを出してから、つや消しラッカーを吹き付けたほうがきれいに仕上がります。
コンパウンドで仕上げたいという方は、模型店でプラスチック用、あるいはアクリル用のコンパウンドをお求めになって、やわらかい布で磨いてください。 根気はいりますが塗料にない自然なつやが出てきれいですよ。

ラッカーを吹き付けるときの注意ですが、雨天などの湿度の高い日に塗装しますと、塗膜の下に湿気が入ってラッカーが白く濁って、きれいに仕上がりませんから、天気のいい日に野外で塗装するといいですよ。 もし湿気を吸って濁ってしまったら、ラッカー用の溶剤で塗料を洗い落として、また塗りなおせば大丈夫です。


加工がむずかしいエポキシレジンの切削や研磨をしやすくする 「切削・研磨セット」 も販売しています。 表面のツヤだしもきれいにできますよ! より美しい仕上がりの作品を目指す方には必須アイテムです。



ポリウレタンレジンの場合

ポリウレタンレジンの修復、仕上げの方法も基本的には変わりません。 ただエポキシレジン同士は完全に一体になりますが、ポリウレタンレジン同士はあまり付きがよくありません。 ですから修復にはパテを使います。 もちろんエポキシレジンでキズを埋めても結構ですよ。その方が強力です。
パテにはいろいろなタイプ、種類がありますから用途に合わせて使い分けます。 一番使いやすいのはチューブ入りの模型用のパテですが、グンゼ産業のパテはレジンには向いていませんから、タミヤのパテがいいでしょう。 たいていはこれひとつあれば事足りると思いますよ。
その他のパテの種類として、液状のもの、固形のもの、スプレー式のものなどがあり、これらは仕上げとしてより原形の製作に私はよく使っています。

ポリウレタンレジンとパテはあまり付きがよくありませんから、パテを塗りつける前に洗剤でよく洗い、パテを塗る部分をサンドペーペーで少しキズをつけるか、カッターで軽く切れ目を入れるかして付をよくします。
パテの使い方も先ほどのエポキシレジンの場合と変わりません。 パテもレジンと同様に硬化時に収縮しますから、すこし多めに盛り上がるくらいに塗りつけます。 大きな修復の場合、一度にたくさんのパテを盛り上げると乾燥、硬化に時間がかかってしまいますから、何回かに分けて塗るか固形のパテを使います。
パテは1日置いて完全に収縮が終わってからカッターで切ったり、サンドペーパーをかけたりしてください。 表面上は固まったように見えて中はまだやわらかいことがありますから、しっかり時間をかけて硬化させます。

完全に固まったらエポキシレジンと同じように作業をしていきます。 余分なパテを少しずつカッターで切り落とし、ペーパーをかけてなめらかにします。 パテはレジンよりやわらかいですからはじめから比較的目のこまかいペーパーで、力をいれずに削りましょう。

パテには色が付いていますからレジンとの色の差が出てしまいます。レジンに着色する場合濃い色であれば問題ないのですが、薄い色、淡い色を塗ると下のパテが透けてしまいますから、パテを白く塗るか、あるいは全体を白く塗ってからお好みの色で着色するといいですよ。
または車の補修用の白いパテをお使いになれば、さほど目立つことはありません。

正直にいいまして私あまりパテの扱いがうまくありません。 パテに関しましてはガレージキット、フィギア製作者に遠く及びませんから、もしパテの技術をもっと知りたいという方がいらっしゃいましたら、そうしたサイトを検索してみてくださいね。


◆この技術を応用して

キズをレジンやパテで埋めて修復するというテクニックは、2つのパーツを接着してその接合部をなめらかにする時にも応用できますよ。
図4のようにすることで接合部分をわからなくしたり、なめらかで自然な仕上がりにすることができます。 多少手間はかかりますが一度お試しあれ。

その他に透明エポキシレジンを塗料の替わりに使って塗ることもあります。 この場合下地となるレジン成型品は全体をサンドペーパーで少しキズをつけておく必要があります。 そうしないとはじいてしまうのです。 もちろんレジンだけでなく、木や石、ガラスなどにも塗ることができます。 ただしご存知のとおりエポキシレジンは硬化時間が遅いですから、液がたれてしまって厚塗りはできませんけど。

このようにレジンは成型するだけでなく、接着や修復、仕上げなどに使うことができるのです。


ここまでお読みくださった方は修復が 「ごまかし」 ではなく、自分の作品に対する 「愛情」 であることがおわかりいただけたと思います。 もちろん私も修復をして仕上げています。 それは作品に対する愛情とともに、お客様により完成度の高い作品を供したいという作家として当然の 「仕事」 だと思っています。